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インプラント治療が失敗する原因・トラブルと失敗しないためのポイント

インプラント治療は高度な技術が必要とされる治療方法だけに、治療には経験と高い専門性が求められます。しかし、なかには技術が未熟なまま治療を行い、深刻な失敗を招くケースがゼロではありません。また、治療は成功したとしても、治療後のメンテナンスを怠ったことで、トラブルに見舞われる場合もあり、十分な注意が必要です。この記事では、インプラント治療が失敗する原因やトラブルの内容、さらには失敗やトラブルを避けるために気を付けたいポイントについて解説します。

インプラント治療の失敗例・リスク

インプラント治療の失敗とは、どのような状態になることでしょうか。ここでは失敗例や失敗に伴うリスクについて解説します。

埋入したインプラント体が固定しない

インプラント治療は、インプラント体と呼ばれるチタン・純チタン製でできたパーツを顎の骨に埋入させ、インプラント体と骨を結合させる治療方法です。チタンは人体との相性が非常によく、骨とも結合しやすい素材です。歯科治療以外の医療分野でも採用されることが多く、信頼性の高い素材でもあると言えます。

ところが、何らかの原因で埋入したインプラント体が骨と結合せずに、抜け落ちてしまうことが稀にあります。医師の技術不足が原因で固定する位置がずれているといったケースも考えられ、不適切なインプラント治療は大きな問題です。インプラント体が抜け落ちてしまったり、蓄膿症になってしまったりしたという事例があります。

インプラント周囲炎

自然の歯と比較して、インプラント治療を施した箇所はどうしても細菌に感染しやすく、炎症の進行も早くなってしまうデメリットがあります。インプラントが細菌に感染する「インプラント周囲炎」には、十分な注意が必要です。

インプラント周囲炎は、術後のメンテナンス不足などが原因で起こる症例であり、歯磨きや定期的なメンテナンスが不適切である場合に多く発生します。なかには歯周病治療が不十分なままインプラント治療を行った場合など、医院側に原因があるケースも考えられますが、患者自身の口腔ケアが予防において重要となります。インプラントは自然の歯と変わらない使用感が得られる素晴らしい治療ですが、メンテナンスはしっかりと行わなければなりません。

慢性的な痛み・しびれ

術後は2~3日ほど患部に痛みがありますが、10日ほどもすれば痛みは自然に引いていきます。2週間以上も痛みがあったり、違和感があったりするようであれば、何か他の原因がある可能性も出てきます。

術後の痛みで多いのが、他の歯や神経に干渉するなど、適切な処置が行われていないケースです。インプラントは適切な位置・深さ・角度で埋入しなければ、周辺の神経を損傷したり、他の歯の歯根部分と干渉したりして痛みの原因になる場合があります。また、かみ合わせが悪く痛みを感じるケースも想定されますので、術後の経過には十分な注意が必要です。

人工歯の破損

インプラントは高い耐久性があり寿命も長い点がメリットですが、強い負荷がかかることで人工歯が破損してしまうケースはあります。また、人工歯の破損の他にトラブルとして考えられるのが、骨に埋入したインプラント体と被せ物部分である人工歯をつなぐアバットメントの締め付けが不十分であることです。最悪の場合、人工歯が外れてしまうことにもなりかねません。違和感を覚えた際は、早めに医師に相談してください。

インプラント治療が失敗してしまう原因とは?

インプラント治療が失敗してしまう原因はどのようなものがあるのでしょうか。ここで紹介する原因がすべてではありませんが、トラブルが多いケースについて解説します。

治療開始の事前診断が不十分

インプラント治療を行う際は、個人差が大きい骨の量や神経の場所などの把握が欠かせません。これらの確認を行う事前の診断が不十分で、骨の量が少なかったり、骨が柔らかかったりして、インプラン体と結合しない場合は、インプラント治療が失敗してしまうかもしれません。また、埋入したインプラント体が周辺の神経に影響して痛みの原因になるケースがある他、健康な他の歯の歯根と干渉して痛みが発生するといったケースも想定されます。

誤った治療計画が原因となるケース

患者がインプラント治療に何を求めているかによって、成功なのか、失敗なのか判断が大きく分かれることがあります。インプラントは自然の歯と変わらない状態にできると同時に、見た目にも美しい点が魅力です。しかし、場合によっては歯茎がやせて下がってしまうように見えることがあり、審美性の点で不満や後悔を感じる方がいらっしゃいます。

また、歯の形状や位置、サイズなどがイメージと違うという可能性もあります。こうした治療計画に関しては、100%患者の希望が叶うとは限りません。上記でも説明したように、骨の形や他の歯との兼ね合い、かみ合わせによってイメージ通りの審美性にならないことがありますので、治療計画を立てる段階での医師と患者のコミュニケーション不足が原因と言えます。

医師の技術不足

計画した通りの位置にインプラント体を埋入するには、非常に高い技術が必要です。位置を三次元的にイメージした上で、計算した位置・角度・深さに穴を空け、インプラント体を埋入していきます。もちろん、手術中に周辺の血管や神経を損傷するようなことがあってはなりません。

また、患者への体力的な負担を考慮して、スピーディな手順で手術を進めていくことも求められます。インプラント治療に実績のある医院やクリニック、医師に相談することが重要と言えます。

不適切なメンテナンス

日頃の口腔ケアを怠ることで、炎症・感染症を誘発して骨が溶けてしまったり、インプラント体が骨に固定されず脱落したりするなどの症状を引き起こす場合があります。

定期的なメンテナンスを怠り、インプラント周囲炎を引き起こしてしまう例がある他、喫煙や飲酒習慣が原因となる、他の薬の服用が影響するといった理由でトラブルが起こる可能性もあります。特に術後まもなくは、インプラント体がしっかりと骨と結合するよう、生活習慣に十分な注意を払っておかなければ、数年後のトラブルにつながったり、インプラントの寿命を縮めてしまったりすることにもなりかねません。

インプラント治療で失敗しないためには

失敗例やトラブルを回避するには、どうすればよいのでしょうか。失敗しないためにできることを紹介します。

医師とのコミュニケーションを密に取る

治療計画、インプラント選びなどをしっかりと医師と相談、確認することが何よりも重要であると言えるでしょう。見た目を含めた治療に対する期待と現実との間にギャップがないか、インプラント治療のデメリットや注意点を理解できているかなどは、治療前のコミュニケーションによって変わります。

また、骨造成手術を含めた追加の治療によってインプラント体がより安定するなど、将来のことも踏まえた治療計画を立ててもらい、その内容を正しく理解することが、トラブル回避に役立ちます。

経験と実績を重視したクリニック選び

残念なことに、医師の技術不足が原因となり、インプラント治療が失敗している例があります。それだけに、過去の実績や治療方法などを基にしたクリニック選びも重要です。格安インプラント治療をうたうクリニックなどは注意が必要でしょう。

経験の浅い医師による無理な治療が行われたり、性能面で不安があるインプラントを使用していたり、価格だけでクリニック選びをすることには、大きなリスクがあることを意識しなければなりません。インプラント治療の費用が高いと感じている方も多いと思いますが、高いなりの理由があります。治療の内訳などにも十分な注意を払ってください。

保証の適用範囲を確認

信頼性の高いインプラントメーカーの場合、長期の保証が約束されており、保証を適用する回数や条件、免責金額、限度額などの範囲についても細かな設定があります。将来、万が一トラブルが起こるようなことがあれば、どのような保証が適用されるのか、あるいはどのような症例では適用されないのかなど、しっかりと確認しておきましょう。複数のインプラントメーカーを比較して検討することもおすすめです。

定期メンテナンスの実施

インプラント周囲炎になっていないか、かみ合わせに問題がないか、歯周ポケットの深さは適性であるかなど、定期的な検診によるチェック、メンテナンスをしっかりと行いましょう。健康な歯に比べて、インプラントは細菌感染などのリスクが高くなることは避けられません。

普段の生活では気にならないほどインプラントは便利ですが、決してメンテナンスを怠っていいわけではないことを理解しておきましょう。また、メーカーの製品保証を受けるには定期メンテナンスが必須である場合がほとんどです。その意味でも、定期的なメンテナンスや日頃の口腔ケアは欠かせません。

まとめ

インプラントが失敗する例は、手術直後に起こるトラブルと術後に時間が経ってから起こるトラブルの2つがあります。手術直後のトラブルは、インプラント体が骨と固定しない場合など、医師側に問題や見落としがある場合がほとんどです。
治療計画に無理がないかなど、事前に医師とのコンセンサスをしっかりと取ることで、こうしたトラブルを回避しましょう。そしてもう1つのトラブルの原因となるのが、メンテナンス不足。数ヶ月毎の定期メンテナンスはもちろん、普段のセルフメンテナンスを怠らないようにして、快適に長くインプラントが使えるよう心掛けてください。

 

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