インプラント手術を正しく理解して不安を解消

外科手術が伴う歯の治療方法であるインプラント。手術と聞くと不安を感じる方もいるかと思いますが、手術自体はさほど難しいものではありません。場合によっては、親知らずを抜くのと変わらない程度とも言われているぐらいです。インプラント治療の手術方法や内容を正しく理解すれば、不安な気持ちも解消されます。この記事では、インプラント治療に必要な手術について詳しく解説していきます。

インプラントの手術方法

顎の骨にインプラント体を埋め込んで、自然の歯と変わらない使用感が得られるインプラント治療。その手術には、2つの方法があります。

インプラント手術には一次手術と二次手術がある

インプラント手術のプロセスは、2つに分けることができます。1つが一次手術です。歯肉(歯茎)を切開して顎の骨にアクセスし、土台部分となるインプラント体を埋め込む穴を空けます。計算した位置に正しく穴を空けることで、インプラントを長く使い続けることが可能です。穴の部分にインプラント体を埋入した後、歯肉を縫合して手術は終了します。一次手術の後は、インプラント体と顎の骨がしっかりと結合するのを待つだけです。

次に二次手術と呼ばれる工程に移ります。顎の骨とインプラン体がしっかりと結合した段階で、アバットメントと呼ばれるパーツを土台であるインプラント体に装着します。アバットメントは、この後の工程で登場する人工歯(上部構造)とインプラント体をつなぐためのパーツです。装着したアバットメントに人工歯を取り付ければ、インプラント手術は完了です。

一般的には1回法で問題ない

一次手術と同時に、アバットメントの装着まで行い、ある程度の時間をおいてから人工歯を装着する方法を「1回法」と呼びます。外科手術自体は1回で済む方法です。また、一次手術を終えた段階で歯肉を縫い合わせ、顎の骨とインプラント体がしっかりと結合するまで治癒期間をおいてから二次手術を行う方法を「2回法」と言います。

ほとんどの場合、1回法で問題ありません。手術に要する時間は1~3時間と短く、日帰り手術となります。

骨が少ない場合は2回法

一次手術を終えた時点で治癒期間を設ける2回法は、顎の骨が少ない場合や薄かったり柔らかかったりする場合に採用される方法です。治癒期間の目安は、上顎の手術で5ヶ月前後、下顎であれば3ヶ月前後です。

骨の硬さや状態には個人差があります。ご自身の骨の状態にあわせて、適切な方法を選ぶことで安心してインプラント手術を受けていただけます。

インプラント手術を受ける際の注意点

優れた歯科治療の方法であり、実績も豊富なインプラント治療ですが、残念ながらすべての人が受けられるわけではありません。手術を受ける際の注意点と併せて、手術が可能かどうか確認してください。

インプラント手術ができない人もいる

成長途中にある子どもは、インプラント手術ができないケースがあります。子どもは発育と共に骨も成長していくため、インプラント体が埋没してしまう可能性があるためです。男性であれば20歳、女性であれば18歳で骨の成長が終わると言われているため、この年齢以降でインプラント手術を検討してください。

また、骨の量が少ない場合もインプラント手術を受けられない可能性があります。例えば骨粗しょう症を患っている方は、骨とインプラント体の結合が難しくなるため、事前に医師に相談することをおすすめします。その他にも、何かしらの持病がある方、投薬中の方は、医師との相談が不可欠です。

手術前の注意点

子どもや持病がある方に加えて、疾患はなくても歯周病や虫歯があるとインプラント治療が受けられません。また妊婦への治療ができないため、治療期間中に妊娠する予定がある場合も注意が必要です。

顎の骨とインプラント体が結合する上で、喫煙習慣がある場合は時間がかかるため、喫煙量が多い方も注意してください。その他にも、病気ではなくても、産後で体力が落ちている、何かしらの理由で体調が優れない場合は手術を避けることをおすすめします。妊娠中でも手術ができないわけではありませんが、可能な限り産後ある程度の期間が過ぎて体力が十分な状態で受けていただきたいと思います。

投薬中の場合や治療中の病気がある場合も含めて、不安な要素があれば、ぜひ事前に医師にご相談ください。骨が少ない人であっても、骨再生治療と併せて行うことで、インプラント治療が受けられます。

手術後の注意

インプラントの手術後は、食事、運動、運転、入浴などに注意が必要です。特に、手術当日の車の運転は控えてください。手術の際は必ず麻酔を施すため、運転に影響が出る可能性があるためです。麻酔が完全に抜けるまでには個人差があります。当日は運転を避けて、その他の手段で移動していただきたいと思います。

また、術後しばらくは、食事や飲酒にも気をつけなければなりません。すぐに刺激のある食べ物を口にしたり、飲酒したりすることはおすすめしません。喫煙もできるだけ控える意識を持っていただきたいところです。喫煙にはさまざまなデメリット、健康への影響がありますが、骨の代謝を阻害する可能性が大きく、インプラント体と骨の結合に影響があると考えられるためです。

加えて、入浴は避けてシャワーだけにする、2~3日は運動を控えるなど、傷への影響が考えられる行動に関して医師からの注意がありますので、ぜひ守るようにしてください。

インプラント治療の流れ

手術を含めて、インプラント治療の全体の流れは以下の通りです。

(1)メール相談

まずは、医師への相談からスタートです。自分がインプラント治療に適しているのかどうかなど、疑問があれば何でも医師にご相談ください。医院やクリニックで直接質問するだけでなく、メールでの無料相談やWebからの問い合わせに答えてくれるところも多くありますので、ぜひチェックしてみてください。通院しやすい最寄りの医院・クリニックでの治療がおすすめです。

(2)検査

歯科用CTで骨の量や形を確認して、インプラント治療に適しているかどうかを確認します。歯科専用のCTは、通常のレントゲンでは映らない神経や血管の位置も確認できるため、非常に安心です。個々の状態に応じた治療計画や手術方法などを提案してもらえます。

(3)カウンセリング

医師による患者の状態確認のため、しっかりとしたコミュニケーションが図られます。同時に、治療に対する疑問や不安がある場合は、積極的に質問しましょう。気になることは事前に相談しておくと安心して治療を受けることができます。

(4)治療計画

CTによる検査結果、本人の希望をもとに、個別の治療計画が立案されます。提案された治療計画に納得できない場合は、他のクリニックに相談することも可能です。セカンドオピニオンの対応をしてくれるクリニックもありますので、納得がいくまで確認をしてください。

(5)一次手術

歯肉を切開して顎の骨に穴を空け、土台となるインプラント体を埋入させるまでの工程です。1回法であれば、アバットメントの取り付けまで行い、手術が伴う工程はここで終了です。現在は1回法が主流となっています。

(6)治癒期間

2回法の場合、インプラント体が骨と結合を強めるために、3~5ヶ月の治癒期間を設けます。

(7)二次手術

2回法の場合は、再度歯肉を切開してアバットメントを固定させます。手術にかかる時間は短く、日帰りでの手術となります。

(8)人工歯の装着

二次手術から1~6週間後に人工歯の型取りをします。その後、製作した人工歯を装着した上で、噛み合わせや装着時の違和感の有無などを確認して完了です。

(9)定期メンテナンス

インプラントがしっかりと固定されているかなどを確認する他、噛み合わせの調整などを定期的に行います。毎日のブラッシングによる口腔ケアと併せて、定期的なメンテナンスがインプラントを長く安心して使い続ける上で欠かせません。

まとめ

インプラント手術は、1~3時間程度で行うため、入院も必要がありません。現在の主流は1回法ですが、骨が少ない方でも2回法であれば、問題なくインプラント治療を受けることが可能です。今回ご紹介した内容以外で疑問があれば、当クリニックへのご相談をお待ちしております。インプラント手術を正しく理解して、不安なく治療に取り組みましょう。

 

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