オールオン4は医療費控除でいくら戻る?片顎299万円・上下で治療する場合の計算例

オールオン4は医療費控除の対象になる場合があります。ただし、戻ってくるのは治療費そのものではなく、納めた税金の一部です。当院の片顎の標準価格2,990,000円(税込)を例に、課税所得ごとの還付額の目安、控除額の上限200万円が上下の治療に与える影響、デンタルローンの扱い、申告で注意したい点を解説します。

オールオン4は医療費控除でいくら戻る?片顎299万円・上下で治療する場合の計算例

この記事の結論

オールオン4の治療費は、治療を目的とした歯科治療として医療費控除の対象になる場合があります。ただし、戻ってくるのは治療費ではなく、納めた所得税の一部です。控除できる金額は1年に200万円が上限のため、当院の片顎の標準価格2,990,000円(税込)を1年で支払うと、それだけで上限に届きます。

  • 片顎2,990,000円を1年で支払った場合の控除額は200万円(上限)です
  • 所得税の還付額の目安は、課税所得300万円の方で約15万円、500万円の方で約37万円です(下の表を参照)
  • 上下の治療費を同じ年にまとめて支払っても、その年の控除額は200万円のままです
  • デンタルローンは、信販会社が立替払いをした年に全額が対象になり、金利・手数料は対象外です
  • 納めた所得税より多くは戻りません。最終的な判断は税務署にご確認ください

「オールオン4は高額だけれど、医療費控除でどのくらい戻ってくるのか」。費用のご相談のなかで、とても多くいただく質問です。インターネット上には「数十万円戻る」といった情報もありますが、実際の金額は、その年に納めた所得税、支払った年、支払い方法によって大きく変わります。

この記事では、当院のオールオン4の費用を例に、医療費控除の計算方法と還付額の目安、上下の治療やデンタルローンで注意したい点を、国税庁の案内に沿って解説します。税金の計算は個人の状況によって異なるため、ここでの数字はあくまで目安としてお読みください。

オールオン4は医療費控除の対象になる?

オールオン4は、治療を目的とした歯科治療として医療費控除の対象になる場合があります。国税庁は、歯科医師による診療や治療の対価のうち「その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分」を医療費控除の対象としています※1。保険のきかない自由診療であることだけを理由に、対象外になるわけではありません。

一方で、国税庁は、一般的な水準を著しく超える特殊なものや、容ぼうを美化するための費用は対象にならないとしています※1。ご自身の治療費のどこまでが対象になるかの最終的な判断は、税務署または税理士にご確認ください。

医療費控除の計算方法は?

医療費控除の金額は、1年間(1月1日〜12月31日)に実際に支払った医療費から、保険金などで補てんされた金額と10万円を差し引いて計算します。控除額の上限は200万円です※2。

(1年間に支払った医療費 − 保険金などで補てんされた金額)− 10万円 = 医療費控除額(上限200万円)

総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく総所得金額等の5%を差し引きます。また、ご本人だけでなく、生計を一にする配偶者やご家族のために支払った医療費も合算できます※2。

当院のオールオン4は、スタンダード片顎4本の標準価格が2,990,000円(税込)です(診断料、局所麻酔、オペ代、最終補綴〈ハイブリッドレジン〉を含みます)。これを1年で支払い、保険金などの補てんがない場合、2,990,000円 − 100,000円 = 2,890,000円となり、上限を超えるため控除額は200万円になります。上限を超えた890,000円分は、控除に使えません。

片顎2,990,000円で、所得税はいくら戻る?

所得税の還付額の目安は、課税所得300万円の方で約15万円、500万円の方で約37万円です。医療費控除は「所得」から差し引く仕組みのため、戻る額は控除額に所得税率をかけた金額になり、所得が高い方ほど多くなります。

下の表は、片顎2,990,000円を1年で支払い、控除額が上限の200万円になった場合を、国税庁の所得税の速算表※3で計算したものです。

課税所得(医療費控除の前)医療費控除前の所得税控除後の所得税還付額の目安
100万円50,000円0円約50,000円
300万円202,500円50,000円約152,500円
500万円572,500円202,500円約370,000円
700万円974,000円572,500円約401,500円
1,000万円1,764,000円1,204,000円約560,000円

表の「課税所得」は年収ではなく、給与所得控除や社会保険料控除などを差し引いたあとの金額です。復興特別所得税は含めていないため、実際の還付額はこれより少し多くなります。また、控除によって税率の区分が下がる方は、「200万円×税率」よりも還付額が少なくなります。たとえば課税所得700万円の方は税率23%の区分ですが、還付額の目安は46万円ではなく約40万円です。

課税所得100万円の方のように、納めた所得税が控除額に対して少ない場合は、納めた所得税の全額(この例では5万円)までしか戻りません。年金収入が中心で所得税が少ない方は、戻る額も小さくなります。

当院のオールオン4の費用のページには、年収の目安と支払った医療費から還付額の目安を計算できるシミュレーターがあります。こちらも年収から税率を推定する簡易計算です。

住民税も安くなる?

医療費控除を申告すると、翌年度の住民税も軽くなる場合があります。住民税の所得割は所得に対して10%(標準税率)で、所得控除の種類は基本的に所得税と同様とされています※4。控除額が200万円の場合、住民税の軽減は最大で約20万円が目安です。

ただし、住民税はお金が振り込まれて戻るのではなく、翌年度に納める住民税が少なくなる形です。実際の金額はお住まいの市区町村で決まります。

上下のオールオン4は、いくら戻る?

上下の治療費を同じ年に支払った場合、控除額は200万円のままで、片顎の場合と還付額は変わりません。片顎2,990,000円の時点で上限に届いているためです。

国税庁は、治療中に年が変わるときは、それぞれの年に支払った医療費をその年の医療費控除の対象とするとしています※1。そのため、支払いが2つの年に分かれると、各年で最大200万円まで控除を受けられます。

当院で公開している症例には、上下ともオールオン4で治療し、治療費が6,600,000円(税込)だった例があります。この金額を仮に当てはめると、次のようになります。いずれも課税所得500万円の方が、毎年同じ所得だったと仮定した試算です。

支払い方各年の控除額所得税の還付額の目安(合計)
1年で6,600,000円を支払う200万円(上限)約370,000円
2年に分けて3,300,000円ずつ支払う1年目200万円、2年目200万円約740,000円

この症例の実際の支払い時期を示したものではありません。症例の治療費は個別の治療例で、同じ費用・結果・期間を約束するものではありません。

ただし、上下を同時に治療するか、片顎ずつ時期を分けるかは、顎の骨や残っている歯の状態、噛み合わせによって決めるものです。税金のために治療を先延ばしにすると、その間に歯周病が進んだり、噛めない期間が長くなったりすることもあるため、おすすめしません。支払いの時期については、治療計画が決まった段階でご相談ください。当院では、事前に一部をお支払いいただき、残額を治療完了までにお支払いいただく方法もご相談いただけます。

デンタルローンで払ったら、いつの年の控除になる?

デンタルローンで支払った場合は、信販会社が治療費を立替払いした年(ローン契約が成立した年)に、立替払いの全額が医療費控除の対象になります※1。毎月の返済額が、返済した年ごとに対象になるわけではありません。

ローンの金利や手数料は、医療費控除の対象になりません。ローンを利用した場合は、医療機関の領収書の代わりに、ローンの契約書や信販会社の領収書を保存しておく必要があります※1。当院では、現金、クレジットカード(VISA、MasterCard、Diners、JCBなど)、デンタルローン(所定の審査があります)でのお支払いに対応しています。

治療費以外に、対象になるもの・ならないものは?

通院のための電車やバスの運賃は、医療費控除の対象になります※1。一方、対象にならないものもあります。

  • 対象になるもの:治療費(麻酔、検査などを含む)、通院のための電車・バスの運賃
  • 対象にならないもの:デンタルローンの金利・手数料、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代、医師などへの謝礼。タクシー代は、電車やバスが利用できない場合などを除き対象になりません※1※5

オールオン4では、静脈内鎮静(85,000円・税込)や全身麻酔(360,000円・税込)を選んだ場合や、上顎の骨が少なくザイゴマインプラント(1本550,000円・税込)を使う場合に、標準価格に費用が加わります。これらも治療費ですが、片顎の治療でその年の控除額がすでに上限に届いている場合は、還付額は増えません。

通院の交通費は、通院した日と金額を記録しておきましょう。ご家族のほかの医療費も合算できますが、オールオン4だけで上限に届く年は、合算しても控除額は増えない点にご注意ください。

医療費控除を受けるときの注意点は?

医療費控除は、会社員の方も年末調整では受けられず、確定申告が必要です。申告には、医療費の領収書をもとに作成する「医療費控除の明細書」を添付します。領収書は、申告期限から5年間、提示や提出を求められる場合があるため、なくさないように保管してください※2。

  • 申告するのは実際に支払った人:生計を一にするご家族が治療費を支払った場合は、支払ったご家族が申告できます。所得税を多く納めている方が支払うと、戻る額が大きくなることがあります
  • 支払った年ごとに申告:治療中に年が変わった場合は、それぞれの年に支払った分を、それぞれの年の申告に入れます
  • 申告を忘れていた場合:還付を受けるための申告は、支払った年の翌年1月1日から5年間提出できます※6
  • 保険金などを受け取った場合:生命保険などから給付金を受け取った場合は、その金額を差し引いて計算します

費用面で迷ったときに考えたいこと

医療費控除で戻るのは治療費の一部で、オールオン4が高額な治療であることに変わりはありません。また、治療後もメンテナンスの費用がかかります。当院のオールオン4のメンテナンスは、治療後1年間は無料で、2年目以降は片顎5,500円〜11,000円(税込)です(上部構造を外すかどうかで異なります)。保証の適用には、当院が指定する定期メンテナンスへのご来院が条件です。

費用の面で迷われる方には、オールオン4以外の方法もご説明しています。たとえば、少ない本数のインプラントで入れ歯を安定させるインプラントデンチャーは、当院では片顎1,200,000円(税込・レジン床義歯、インプラント2本込)からです。取り外し式で、固定式のオールオン4とは使い心地や清掃の方法が異なるため、違いを理解したうえで選んでいただくことが大切です。

オールオン4治療の注意点

オールオン4は外科手術を伴う治療です。手術後に痛み、腫れ、出血、内出血が出ることがあり、感染が起こる可能性もあります。治療後も、インプラント周囲炎が起きたり、インプラントが骨と十分に結合しなかったり、脱落したりする場合があります。喫煙や糖尿病などの全身の状態によっては、治療が難しい場合もあります。人工歯は材料によってすり減りや欠け、変色が起こるため、修理や作り直しが必要になることがあります。

オールオン4は公的医療保険が適用されない自由診療です。当院のスタンダード片顎4本の標準価格は2,990,000円(税込)です。顎の骨の量や質、残っている歯の状態、必要なインプラントの本数、人工歯の種類によって治療内容と費用が変わるため、診査・診断のうえで治療前に総額をご説明します。

よくある質問

オールオン4は保険適用になりますか?

オールオン4は自由診療のため、健康保険は適用されません。ただし、治療を目的とした歯科治療として、医療費控除の対象になる場合があります。

医療費控除はいつ申告すればいいですか?

治療費を支払った年の翌年に、確定申告で申告します。還付を受けるための申告は、支払った年の翌年1月1日から5年間提出できます。会社員の方も、年末調整では医療費控除を受けられないため、確定申告が必要です。

デンタルローンで支払うと、毎年控除を受けられますか?

デンタルローンは、信販会社が立替払いをした年に、立替払いの全額が医療費控除の対象になります。返済した年ごとに分けて控除を受ける仕組みではありません。ローンの金利や手数料は対象外です。

親の治療費を子どもが払った場合、子どもが医療費控除を受けられますか?

生計を一にする親族のために支払った医療費であれば、実際に支払った方が医療費控除を受けられます。生計を一にしているかどうかなどの判断は、税務署にご確認ください。

治療前に、最終的な費用はわかりますか?

診査・診断を行い、治療計画を立てたうえで、必要な治療内容と費用を事前にご説明します。お支払いの時期や方法についても、そのときにご相談いただけます。

まとめ

オールオン4は医療費控除の対象になる場合がありますが、戻ってくるのは納めた税金の一部です。控除額は1年に200万円が上限で、当院の片顎2,990,000円(税込)を1年で支払うと、それだけで上限に届きます。所得税の還付額の目安は、課税所得300万円の方で約15万円、500万円の方で約37万円です。上下の治療で支払いが2つの年に分かれる場合は、各年で控除を受けられますが、治療の時期はお口の状態を優先して決めることが大切です。

当院では、治療内容だけでなく、総額やお支払い方法、支払いの時期についても無料カウンセリングでご相談いただけます。WEB予約、メール相談、またはお電話(0120-845-556)から、まずはご相談ください。

参考文献・出典

  1. 国税庁 タックスアンサー No.1128「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」(令和8年4月1日現在法令等)
  2. 国税庁 タックスアンサー No.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」(令和8年4月1日現在法令等)
  3. 国税庁 タックスアンサー No.2260「所得税の税率」
  4. 総務省「個人住民税」(地方税制度)
  5. 国税庁 タックスアンサー No.1122「医療費控除の対象となる医療費」
  6. 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」

治療について

歯科治療の適応や治療方法、治療期間、費用、治療結果には個人差があります。実際の治療については、口腔内の状態を診査・診断したうえでご提案します。

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